続イギリスで始めたこと

2001年からイギリスに住んでいます。 人生何があるかわかりません。思いもしなかった異国暮らし。 日々の生活の中で思うこと、発見したこと、出来事などを書いています。

哀悼 > ジューリ

ジューリ

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このミニシクラメンは7年ほど前にジューリから
私の誕生日プレゼントにもらったものだ。
昨日仕事に行くとスーがジューリの訃報を教えてくれた。
先週の土曜日に亡くなったそうだ。

私が今のスーパーに勤めるようになった初日に
配属された部署のスーパーバイザーが私をジューリに紹介してくれた。
ジューリは私に握手を求めよろしくねと言ってくれたのを覚えている。

ジューリはなかなか問題の多い人だった。
夫は暴君。
娘は薬物中毒で彼氏も同じ。
娘は私が勤めだす前に暴力を振る彼氏から逃げてスーパーに駆け込み
そこへ彼氏が現れて警察沙汰になって
それ以来娘がスーパーへ来る事は禁止されたそうだ。
娘は3人ほど子供を生んだが育児能力が無く
育児放棄とみなされ子供は保護され娘の元を去った。
そんな生活環境から逃れるためか
ジューリは毎日のように酒を飲んでいた。
仕事に来てもまだ酒が抜けていないようで
一緒に仕事をしていて酒臭いと感じることが多々あった。
仕事仲間でも感じていたので当然客からも酒臭いと声が上がった。

数年前管理職が抜き打ちでジューリのロッカー検査をし
水のペットボトルの中身がウオッカだったのを発見した。
その場でジューリは強制退社させられ後日解雇された。
勤続17年目だった。

去年だったろうかスーがジューリに肺がんが見つかったと教えてくれた。
それから何度かスーとジューリはどうしているかと話していた。
一度スーがジューリを見舞いに行ったが夫がいて
ジューリは今寝ていると言われて会わせてもらえなかった。
結局スーはジューリに会う機会を失ってしまった。
59歳だった。

何があったのかは忘れたが一度だけジューリが
私に助言してくれたことがあった。
「強くならなきゃだめだ。
自分は早くに両親を亡くして誰も頼れなかった。
だから強くなって頑張った。
Kemmiも強くならないと」と言われたのを覚えている。

ジューリからもらったミニシクラメンは毎年何度も花を咲かせてくれる。
ジューリは私の顔を見るたびに「私の贈った花はどうしてる?」と訊いた。
いつも元気でまた花を咲かせているよと答えると嬉しそうにしていた。
本当に元気だ。
水遣りをしながらいつもジューリを思い出さずにはいられなかった。
先週からまた花が咲き出した。
根元にはこれからの蕾が幾つも見えている。

贈り主はいなくなってしまった。
昨日訃報を知らせてくれたスーとはそれ以上ジューリの話はしなかった。
お互いなんとなくやるせない気持ちだったと思う。

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