続イギリスで始めたこと

2001年からイギリスに住んでいます。 人生何があるかわかりません。思いもしなかった異国暮らし。 日々の生活の中で思うこと、発見したこと、出来事などを書いています。

両親 > 老人保健施設

老人保健施設

父が老人保健施設に入って1ヶ月あまりが過ぎた。
1年以上前に母がこれ以上父の面倒を看るのが
体力的に限界にきていると相談された。
母はあまり泣き言を言わないのだが
何かを口にしたときは本当に限界にきている。
遥か異国に住んでいる私はすぐに日本に帰ることはできない。
ここ数年は夫の怪我で私の仕事で家計を支えているので
安易に仕事を辞めて日本に帰ることもままならない。
すぐに両親がお世話になっているケアーマネージャーさんに
連絡を取って相談に乗ってもらった。
ケアーマネージャーさんの出してくれた案は
1、特別養護老人ホームへ申し込みを始める。
  これは待ち時間を考えなければならない。
2、特別養護老人ホームの空きが出るまで
  老人保健施設に入所する。
3、救急処置としてショートステイで何日か
  父を預かってもらう。

母に3つの案があることを説明すると
八方塞ではないと安心したのか
まだ限界と言うわけではないので
もう少し頑張れると言った。
それでも特別養護老人ホームの申し込みだけは
しておいたほうがいいと思い。
叔父とケアーマネージャーさんに手続きをお願いした。

昨年里帰りで実家に帰ったときの父は
やはり認知症が進んでいた。
それでも母はまだ大丈夫と言っていた。
元旦に母に電話をしたときは元気だったのに
7日に電話をしたらもう限界だと
涙声になっていた。
特にひどくなったのはお手洗いだ。
母は1日に3度も4度もトイレ掃除や
洗濯でクタクタになっていた。
母はストレスか風邪だったのか
食べたものを戻すようになった。
これは本当のSOSだと思いすぐに
ケアーマネージャーさんに連絡を取った。

まだ特別養護老人ホームの空きはないが
両親が通っているデイケアーと同じ施設に
老人保健施設があり
そこにタイミングよく空きが出たので
手続きが終わればすぐに入所できることになった。
叔父とも相談してすぐに話を進めてもらった。
父はお手洗い以外にも座っている椅子から
ずり落ちて一人では起き上がれなくなったり
ストーブの前でつまずいて火傷しそうになった。
もう24時間の介護が必要なのだが
それを母一人に負わせるの無理過ぎる。

ケアーマネージャーさんからメールで朗報をもらったと
起きてきたばかりの夫に言ってパソコンに向かっていた。
すると夫の様子がおかしいので見てみると泣いていた。
泣いてるのと聞くと私の父や母のために
施設に入るのがいいのだとわかっているのだけど
やっぱり父が不憫だと言って涙を拭いていた。
私は現状を何とかしなければとそれだけを考えていたが
夫の涙を見てこっちまで涙が出てきた。
しかし感情的になってはいられない。
私ができることを異国からしなければと思った。

父は一目ぼれかと思うくらい夫に会って
一目で夫を大好きになってしまった。
言葉は通じないのに夫も父を好きになった。
夫は父はいないものとして生きてきた。
だから無条件に夫を愛する私の父を
夫も好きなのだと思う。
イギリスの老人ホームしか知らない夫なので
あまりいいイメージがなく余計父を不憫に思うのだ。

娘として私も父を不憫に思う。
やはり母と自宅にいたいのが父の本意だと思うが
それでは両親共倒れになってしまう。

様子を見る3週間が過ぎてから経過報告を受けた。
父は昼夜とも失禁することはなく
食欲もあり施設での生活に馴染めているそうだ。
報告を受けて安堵した。

この施設は理想的だった。
デイケアーと同じ施設なので顔見知りのスタッフがいる。
週に1度デイケアーにいく母が父に会いに行ける。
ケアーマネージャーさんがとても信頼できる方だ。
父と会ってきた母も顔色がよかったと安心してた。

四人家族だった。
私が最初に実家を出てその後妹が亡くなった。
そして父を施設に入れてしまった。
今はあの家に母が一人になってしまった。
父は昔から母の話し相手にはならなかったが
それでも母にとって一人は寂しいだろうと思う。

涙していた夫を見て思った。
私は現実的だと。
感傷的になってもすぐに現実に戻って
次に何をすべきか考えてしまう。
昔からそうだったかもしれない。

そして今回取った選択は間違っていないと思っている。

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ご両親とも、お互いにお寂しく難しい選択だったと思いますが、体が楽になられたならよかったですね。
わたしも年老いた両親をおいてきているので今回のお話、非常に身につまされました。やはり、両親の健康状態が不安です。二人で病院通いをしながら、何とか助け合って暮らしているようですが、いつでもどちらでも具合が悪くなりうる。里帰りの際は、いつもこれで会うの最後かも、と思います。
それにしても、ご主人は優しい方ですね。ご両親ともKemmiさんがおられなくなっても、そういう方のところにいかれたのを、喜んでおられるでしょう。

2013.03.01 07:10 ぽん #.I57DTE6 URL[EDIT]

切ないけれど、本当に現実ですね。
年をとるとみんな同じ思いをしますね。
それにしてもご主人はほんとうに素敵な人だなあ。
kemmiさんよかったですね。

2013.03.01 13:54 TSU #- URL[EDIT]

わたしも、日本に、80代の父と70代の母がいます。
今はなんとかふたりで暮らしていますが、でも、はっきり言って、いつ何が起きても不思議ではない状態...。
わたしの場合はすぐ近くに姉一家がいてくれるんですが、それゆえに、何かあった場合にわたしが出来ることはいったいどれだけあるんだろう...と、眠れぬ夜のつれづれです。
でも、悩んでいたってしょうがない。
その時に自分の出来る精一杯のことをするしかないんですよね。

2013.03.01 14:55 tuguki #- URL[EDIT]

両親をすべて見送った者としては
今 夢中でお世話なさっている方には申し訳ありませんが
何か とても懐かしい話をお聞きしたような気持ちです

気がかりなどで 頭がいっぱいのKemmiさんの代わりに
静かに涙してくださるご主人様
お二人のお気持ちに 涙がでそうです

2013.03.01 21:26 かっち #- URL[EDIT]

私も4人家族でした。
弟が先に大学進学で家を出て、そのまま東京にほぼ永住決定。
次に私が結婚で家を出ました。そして3ヶ月前に父が亡くなり、
今は75歳の母が1人でがらんとした実家に暮らしています。
時の流れは止められ無いなのですが、時にはとても残酷だと感じます。
それでも現実から目を背ける訳には行きません。
お父様とお母様のこの先を考えると、最良の選択だと私も思います。
Kemmiさんが優しいご主人様と幸せに暮らしている事が、何よりの
親孝行だと思いますよ。

2013.03.02 01:04 kusu #- URL[EDIT]
ぽんさま

日本を出るときにいつかはこんな日が来るとはわかっていても
やはり現実になると辛いですね。
ご両親が元気いていてくれるのを祈るばかりです。

父のために泣いてくれる夫を見てありがたく
一緒になって良かったと思いました。

2013.03.02 05:05 kemmi #- URL[EDIT]
TSUさま

辛いですが避けては通れない現実ですね。

父のために泣いている夫を見てじーんとしてしまいました。
そしてありがたいなと思いました。

2013.03.02 05:12 kemmi #- URL[EDIT]
tugukiさま

私の母を含めて今は元気でも何時どう変わるかわかりませんよね。
私は叔父にすっかり頼っていますが叔父も70歳。
何時までも甘えられないのはわかっているのですが・・・

色々と準備しておくことは必要でしょうが
その時の状況に応じてできることをするしかないですね。

2013.03.02 05:19 kemmi #- URL[EDIT]
かっちさま

皆が通る道ですね。
かっちさまのメッセージを読んで思いました。
泣いている余裕がなかった私のために
夫が代わりに泣いてくれたんですね。

2013.03.02 05:22 kemmi #- URL[EDIT]
kusuさま

お母様も今は一人になられてしまったんですね。
娘として一人でがらんとした家にいる母を思うと
胸が痛みますが
仰るとおり現実から目を背けることはできないから
その時々で最良と思える選択をしなければなりませんね。

2013.03.02 05:26 kemmi #- URL[EDIT]

あの時も私のことを泣き虫だといったご主人の目はうるんでいました(笑)。
いつまでも温かいご主人に私まで感謝。
私も、今回は大変だったけどbestな選択ができたと思っています。

2013.03.02 23:44 katomi #- URL[EDIT]
katomiさま

夫はkatomiさんほどではないですが涙もろいです。(笑)
今回の選択そう言ってもらえると励まされます。
ありがとう。

2013.03.03 05:02 kemmi #- URL[EDIT]

夫さん優しいですね。
そう思いつつも、優しさだけでは越えられないのが介護だと思うのです。
kemmiさんの判断が、実は本当の優しさなのだと私は思います。

遠くにいるから余計心配ですよね。
でも、家族が同居している家庭が、実は介護には無関心に近く、状況が悪化しても判断してくれない事が多かったりします。世話をするだけが、介護じゃないと思います。

お母さんの相談からお父さんが落ち着くまで、とっても大変だったと思います。お疲れ様でした…って、まだ心労は続くのでしょうけど。
プロに任せられる部分は任せて、笑顔でいられる環境が大切だと思います。

2013.03.03 10:46 さむ #u62fkvpQ URL[EDIT]
さむさま

温かいお言葉ありがとうございます。
「プロに任せられる部分は任せて、笑顔でいられる環境が大切」
私もそう思います。

2013.03.03 22:00 kemmi #- URL[EDIT]
優しいですね

kemmiさんの選択は正解です。
介護はプロに任せるほうが、介護者と被介護者お互いのためになります。最初はつらいけど、しょうがないですね。
ご主人はもちろん、kemmmiさんもとても優しい方だと思います。

2013.03.03 23:03 あっけまま #- URL[EDIT]
あっけままさま

ありがとうございます。
今回の選択は母と父のためだと思っています。
そう思うしかないですね。

2013.03.04 03:03 kemmi #- URL[EDIT]

初めてコメントします。
Jonathan and Charlotte のことをいろいろ見ていましたらkemmiさんのブログの記事にたどりつきました。
異国の地からご両親のことご心配だと思います。
私の両親は、同居していた寝たきりの高齢の祖母を自分たちだけで介護していましたが、結局祖母が亡くなった後、1年後に父が、4年後に母が亡くなりました。介護共倒れとでもいうのでしょうか。二人とも65才でした。
私も介護はプロに任せるべきだと思います。
祖母が亡くなったのは20年も前なのでずいぶん前の話ですが・・・
自分は何も出来なかった事が悔やまれます。
kemmiさんのお母様が少しでも自分の時間を大切に楽しく過ごされますように。

2013.03.04 21:00 もみじ母 #- URL[EDIT]
もみじ母さま

初めまして。
お父様とお母様おお話は辛いですね。
20年以上も前でしたら今のような介護のサービスもない頃ですし
ご自宅での介護は大変だったのでしょうね。
ご両親はまだまだお若かったのに・・・
お辛かったですね。

母が身体が楽になったと言っているのが何よりです。
お辛いお話しを聞かせていただいてありがとうございます。

2013.03.04 23:21 kemmi #- URL[EDIT]

こんにちは。
私はまだ両親が健康で元気で居てくれるので現実味がありませんが、
遠くに居るからこそ出来る事は最短距離で行いたいと思うのはしょうがないと思います。

共倒れになっては困りますもんね。
お父様が家から離れてお母様が解放されて元気になれば良いですが
手持ちぶたさでお母様が淋しがらないか心配ですよね。

今以上に連絡してあげてください。
私には来てほしくないと思う現実ですが、いずれやってくる事なんですものね。

2013.03.05 21:45 ニコ #- URL[EDIT]
ニコさま

ニコさんはまだお若いのでしょうね。
イギリスに来ると決めたとき覚悟しなければと思っていましたが
まだまだ先だと思っていました。
でも親の年齢を考えるとまだまだではありませんでした。

母の負担が軽くなって一安心ですが
今度は母が一人という心配ができました。
週に1,2度休みの日は必ず電話をしています。
母も待っているので欠かせません。

2013.03.06 08:25 kemmi #- URL[EDIT]

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