続イギリスで始めたこと

2001年からイギリスに住んでいます。 人生何があるかわかりません。思いもしなかった異国暮らし。 日々の生活の中で思うこと、発見したこと、出来事などを書いています。

2016年06月 の記事一覧

ボイラー故障

昨晩シャワーを浴びようと裸になってお湯の温度を調節していたら
お湯がどんどん冷たくなって水しか出てこない。
もう髪も身体もぬらしてしまった。
バスタオルを巻いて夫とボイラーを見たら
電源のランプが点滅していて火が点かない。
寒くて仕方ないので中途半端なシャワーは諦めた。
これまでも色々なものが故障したがそれはいつも週末。
我が家は賃貸なので故障したら大家さんに連絡を取って
対処してもらうしかないのだが週末はどうにもならない。
なんでいつも週末なのか・・・

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冗談

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父が亡くなってそろそろ半年となる。
去年の9月に父が危ないと連絡を受けて急遽日本へ行った。
幸い父は持ち直してくれた。
少しずつ良くなってくれた。
私の声かけにも答えてくれてくれるようになった。
とはいえ「大丈夫?」と声をかけると「大丈夫」とおうむ返しなのは
それまでと同じだった。
ある日父を見舞うと顔が赤く見えたので額や頬を触ってみると
熱があるようだった。
看護師さんに診てもらうとやはり熱があった。
自分で訴えることができない父なのでそれから見舞うたびに
父の額からはげた頭にかけてなでて熱が無いか確認していた。
いつものように父の頭をなでているとそれまで単語でしか
応対をしなかった父が突然
「髪が生える」と言った。
一瞬何のことだかわからなかったのだが
私が父の頭をなでるので髪が生えてくるかもしれないと言う
父の冗談だとわかった。
わかった瞬間私は病室に響き渡るような大きな声で笑ってしまった。
そして父が元気なときでも冗談を言うのは珍しかったので
冗談を言えるほど回復したのだと嬉しくなった。
それは父が最後に聞かせてくれた冗談になってしまったが
今思い出してもふっと笑みがこぼれる父との貴重な思い出となった。

靴磨き

私の仕事靴は夫が磨いてくれる。
最初は夫の仕事靴を磨くついでに私のも磨いてくれた。
怪我が元で仕事ができなくなった今は
私の靴を磨いてくれる。
夫が子供の頃おじいちゃんがいつも靴を磨いていて
磨かれた靴を履くと気持ちがいいものだと言っていたそうだ。

靴を磨いてくれる夫の顔を見るといつものように
ペコちゃんの舌が出ている。

ブラブラ

夫の昔話。
夫が若かった頃、良くパブに通っていた。
近所のパブは週末になると歌手がやってきてステージに上がる。
歌手が歌い始めると客の一人と思われる老人がビールの入ったグラスを持ちながら
今にも転びそうにヨタヨタしだす。
その老人に手を貸そうとする人やびっくりする人でパブ内はざわつく。
歌手が歌を止めて何の騒ぎだと声をかけると
この老人が「このデブ下手な歌を止めろ」と野次る。
それを受けて歌手が「何だと」と口喧嘩が始まる。
これはこのパブが提供していたちょっとした寸劇だったのがすぐにわかる。

この老人はいつもこのパブにいた。
夫はこの老人が好きでパブにいつも彼が来ているか訊いた。
彼を見つけると元気かと声をかける。
彼はただ「ブラブラ」と答える。
何を聞いてもブラブラとしか答えない。
だから彼の愛称はブラブラとして知られていた
夫も彼の名前は知らない。
夫はいつもカウンターの女の子にお金を払って
「ブラブラに飲ませてやってくれ」と頼んだ。
ブラブラのお酒代を払うのは夫だけではない。
彼を慕う人達がお金を置いていくので
ブラブラはそのパブではお金を払う必要が無かった。
平日ブラブラはパブの片隅で美味しそうにおごられたお酒を飲んでいた。

ある日いつものようにステージの歌手とやり取りをした後
突然その場でノートルダムのせむし男の一場面を演じた。
見事でその場はシーンとなってブラブラの演技を観た。
拍手喝采を浴びるとブラブラは片手を胸に当てて
深々とお辞儀をした。

ブラブラは若い頃は役者だったのだろう。

複雑

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天気が良いのと私のお休みが重なったので
夫は今日は釣堀へ。

先日ガーデンセンターで働いていたときのこと。
ガーデンセンターは2人制で店番をし交代で休憩を取る。
相方が休憩を取るのにカスタマーカフェから応援を頼み
ブライスという18歳の男の子が来てくれた。
私のスーパーではポイントカードがあり
レジで決済する際にそのカードはお持ちですかと声をかける。
日に何度か私が質問すると聞き返されることがある。
ブライスに私の発音がおかしいのかなと聞いてみた。
ブライスは私の発音は間違いないけれど
この土地の人はちょっとアクセントが違うからわからなかったりする。
自分はロンドン訛りの英語だから時々聞き返されるとよと言った。

少し経ってからロンドンから何でこの町に来たのと良く考えもせずにブライスに訊いた。
するとブライスは両親はこの町の出身で結婚したけれど離婚した。
自分は母親と住んでいたのだけれどそのうち母親が彼の面倒を見れなくなり
今度は再婚した父親とステップマザーと一緒に住んでいた。
でもこの2人も彼の面倒はもうみれないと言うことで
祖父母を頼ってこの町に来て学校に通っていると教えてくれた。

母親の話のあたりで私は彼に質問したことを後悔した。
話し終わったブライスに変なこと聞いてごめんねと言うと
いや別にいいんだよと笑顔で答えてくれた。

夫の家族を見ても周りで働いている人を見ても
複雑な家庭環境はわかっていたのだ。
むやみに人の事情を訊くものではないと
反省した一場面だった。